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YAESU FL-2100Z 200W改造機で変更申請 [アマチュア無線]

 当局はFT-8の運用を160mから70cmまで運用しています。FT8の前はJT65のモードで運用しておりました。

この時は80m~10mまでの各バンドで、ほとんど50W以下で運用していましたがそれなりにDX局ともQSOできました。ただFT8になってからは普通に100W以上出さないとDX局と同等の信号レポートにはなりません。また、ペディション局や珍局等を呼ぶ場合は、やはりパワーが欲しくなります。現状で私がFT8で使用しているトランシ-バーはKENWOOD TS-990S 200W機ですが、Maxの200WでFT8モードの送信必要時間15秒で連続送信したのでは、いくら終段FET MRF150が比較的タフでも寿命が短くなることが予想されます。ある方の話では、FT-8を半導体終段のトランシーバーで安心して使えるのは、Maxパワーの4分の1位らしいです。私のトランシーバーでは50W以下ということですが、実際に50W以下で運用するとなると国内QSOを除いて結構厳しいのが実情です。そこで今回、せめて160m~10mまでのHFバンドだけでもFT8でフルパワーの200W出力できるように、比較的「タフ」な真空管を使ったリニアアンプの導入を考えました。これならTS-990Sのエキサイタ出力は50W以下で済むので安心です。


〇 リニアアンプの選定

そもそも真空管の200W出力のアンプとなると、私の知る限り既製品は無いのが実情です。元々、私が数ヶ月前に持っていた1kW出力可能なTL-922によるQROもFT8で余力を持って運用したいという上記の考えがあり、QROを諦めてから、このアンプを200Wに出力低減して利用できないかというのも少し検討しました。結果的にはTL-922に使われている3-500Zは1本でも500W出せる球なので出力を抑えて変更申請は不可能と考え、手放してしまいました。そして最終的に手に入れたのはYAESU FL-2100Zの中古でした。FL-2100Zはかなり時代物のアンプなのですが、オークションで200Wに出力低減された物が出品されていて、これを手頃な値段で手に入れることが出来ました。


〇 準備と申請手続き書類作成


FL-2100Z_1.jpg

このような時代を感じる?アンプです。FL-2100Zは前期型と後期型があり、後期型はWARCバンドの30m、17m、12mの各バンドが追加されてます。手に入れたものは、この後期型で前のオーナーさんが200W改造を施し、JARDの保証認定を取って使っていたアンプらしいです。保証認定を取得された際にJARDと総通局に提出された資料も添付されていましたので、アンプ自体の準備はほとんど無く簡単でした。

FL-2100Z_2.jpgFL-2100Z_3.jpg


 これが入手したFL-2100Zの上面内部です。年代相応ですが比較的綺麗です。572B×2はセトロンの球です。

改造は電源トランスの2次側タップを850V⇒425Vに変更し、572Bのプレート電圧を2.4kV⇒1.2kVに変更しています。電源電圧は入手時100V入力となっていましたが、上の写真のトランス・タップを変更し、200V入力に変更しました。前にQROの準備でTL-922用に用意した200V電源を活用することができました。この200Vラインには電源用コモンモードフィルタも挿入済みで、200V入力により100V入力時より安定した動作を期待できます。

FL2100Z改資料.jpg  

これが、今回、JARDと総通局に提出した資料です。各バンド毎の入力電力、電力増幅管プレート電圧、プレート電流、出力電力の実測値データを載せています。


LDG_AT1000Pro2.jpg


 また提出した系統図には前にQROの申請時にも記載したLPF、コモンモードフィルタをアンプの入出力に挿入、加えて空中線に近い部分に耐入力PEP1kWのLDGオートアンテナチューナーAT-1000ProⅡを挿入し記載しました。エキサイターのTS-990Sは技術基準適合機器であることに加えFL-2100Zは200Wを超えるハイパワーアンプ

としてスプリアス確認保証が可能な機器となっているので、出力低減の資料があれば大丈夫かもしれませんが、一応真空管の古いアンプなので念には念をいれた上で準備しました。

現在、既にJARDの保証認定を取得し、総通局へ変更申請中ですので近日中に正式許可になるかと思います。

QROは中止しましたが、一つの目的であったFT8での200Wフルパワーでの送信が安心して出来そうです。

本当は6mの200Wリニアアンプも用意したいのですが、その前にアンテナのグレードアップかな?


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QRO中止とその残骸 [アマチュア無線]

前回のブログからだいぶ間があいてしまいました。前回まではQROをする予定で、リニアアンプやアンテナの整備について書いてきました。その他パワーアップを行うためのローパスフィルタ、コモンモードフィルタの準備、電波申請書類の準備を行い、2月半ば頃には総通局より変更許可通知書もいただいていました。その後、試験電波発射届けを総通局に提出し、4月中旬にはご近所の電波障害調査を行うつもりでした。その後、ある事情により結局、パワーアップを諦めざるを得なくなりました。ある事情について詳細は言えませんが、電波障害が発生したとかそういう事ではありません。ごり押しして計画を進めることは可能でしたが、敢えてそうしませんでした。

その後は、1kW出力変更申請の撤回手続きを行い、現在は元のHF~50MHz 200Wの免許内容となってます。リニアアンプも不法にオーバーパワーを行うようなことはあってはいけないと考え、手放してしまいました。正式運用はかないませんでしたが、試験電波発射ということで、ハイパワー電波の発射を少しだけ味あわせていただきました。今後は200Wの範囲内で運用のテクニックやグレードアップしたアンテナを活用し、アマチュア無線を楽しんでいこうと思います。

今回、QROのためだけに準備した訳ではないのですが、自作耐入力1kW以上の油冷ダミーロードを紹介します。

DUMMY1.jpg


 ダミー本体は50Ωの本体のみの耐入力100W程度の無誘導抵抗で、かなり昔、ハムフェアのどこかのブースで買い求めたものです。これをホームセンターで買った塗料用の缶(容積3Lくらい)の蓋にM型コネクタのメスと周波数特性を考慮した(つもり)銅板を使ってハンダ処理で取り付けたものです。


DUMMY2.jpg


缶の上部はこんな感じです。


DUMMY4.jpg


 全景はこういう感じです。中に入れるオイルは電力トランス用の絶縁オイルが最適なのですが、「簡易的に」サラダオイルとか自動車用のエンジンオイルでもよい旨のことが、油冷ダミーロードをネットで調べると書いてありました。当初、私も比較的安価なバイク用のエンジンオイルを冷却用に用いてました。TL-922等の真空管式リニアでは、最新のアンプと違い、マニュアル調整が必須なので耐入力1kW以上のダミーロードが必要となります。

さすがに各バンドでの出力調整を行うと、ダミーロードが熱くなってきます。オイルがエンジンオイルでは粘度がありすぎて熱の対流がよくないようで、部分的にかなりチンチンに熱くなりました。それでも火事になるようなことは無いとは思いますが、これから頻繁に調整することを考え、この際、専用のトランス絶縁オイルを買い求めました。

DUMMY3.jpg


 日鉱JXの高圧絶縁油です。粘度は余り無く、良い感じです。実際に使った所、対流があるせいか、部分的に熱くなることは無くなりました。自作のこのダミーロードの周波数特性ですが1.8MHz帯~144MHz帯までVSWR 1.3以下となり、ほぼ問題ありません。

パワーアップは行わないことになったので、200W以下で時々使ってますが、ほんのり暖かくなる程度です。絶縁油は18Lのものを購入し、3Lちょっとしか使っていないので、未だ14L余りが残ってます。MFJあたりの缶ダミーでも使えます。必要な方居ませんか~

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