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1本のマイクを4台の無線機で使う [アマチュア無線]

実は一昨年の7月頃、標題と同じマイク切替器を製作していて、最近まで使っていました。以前のものは1本のマイクを3台の無線機に切り替えて使えるように製作したものです。ところが使う無線機によっては、雑音や回り込みのような現象が起きて、結局、1本のマイクで、まともに使える無線機は1台のみという状況となっていました。当初は高周波の回り込みではと推測し、パッチンコアを付けたり各機器のアースを共通にしたりといった対策をしました。しかし、ある程度は改善するものの、依然として雑音が残ったり音声が歪んでしまったりしていました。


ある日、何気なくインターネットのウェブサーフィンをしていると、JI1ANI局のブログに興味深いことが書いてありました。それはマイクの音声を各無線機に切り替える回路でグランド(接地)を共通にすると、グランドループが出来てしまい、それで雑音や送信音声が歪んだりする現象が起きるといった内容でした。それを見たときに、そういえばバイクモービルでナビと無線機を共通グランドで使ったときに、無線機で送信すると喋っていないのに「ゴォーー」という音が送信されて全く使いものにならなかったということがありました。この時はネットで調べた結果、グランドループであると認識し、グランドループ対策フィルタなる物をアマゾンで購入して挿入してみました。結果はピタリと雑音等は止まりました。ということで、今回はグランドループ対策を行ったマイク切替器の改修を行ってみました。といっても、ほとんどJI1ANI局のブログを参考に改修を行っただけです。

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これが回路構成図です。以前のものは3台の無線機にマイク入力を、その都度切り替えていて入出力グランドは共通でしたが、今回のものはマイク出力を四つのアンプに分配し、それぞれの出力を600:600のトランスを通して常に各無線機に出力し、グランドループを断ち切っています。切り替えるのはプレストーク情報だけです。

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上の写真の中華製ヘッドホンアンプを改造して使います。参考としたJI1ANI局ブログにあるものと同じ製品です、このアンプはステレオアンプなので片側の左側 のみを使い、右側入出力はアースに落としておきます。電源は付属のACアダプタから取ります。

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改造前のアンプ中身です。各出力のステレオジャック4個を外してシャーシと絶縁するタイプのピンジャックに取り替えます。その空いたスペースに600Ω:600Ωの表面実装用のトランスを取り付けます。

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改造後の状況です。トランスはピンジャックの大きさと比べてもらえれば判りますが、かなり小さくキャラメル大です。

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マイク切替器部分です。左からPTT-SW、マイク入力8ピンコネクタ(AF入力、PTT、DC8V)、マイク(PTT)切替SW4接点、マイク出力ピンジャック(→ヘッドホンアンプ入力へ)、切替表示用LEDは3台→4台となったので1個増設(1番左側)しました。

1MIC4RIG_5.jpg

マイク切替器裏側です。1番左側のピンジャックをPTT用で増設、他の4ピンコネクタは既設でPTT情報のみのため2ピンのみ使用。その隣は外部PTT-用ジャック、マイクDC用ACアダプタジャックとなります。

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改造が終わり、本システムを設置しました。マイクはアスタティックシルバーイーグル(内蔵アンプ改造、DC外部電源改造)を使い4台の各無線機に接続しました。各無線機は、それぞれマイク入力の大きさが微妙に違っていて、マイク単独出力では大きすぎたり小さすぎたりしてましたが、ヘッドホンアンプにより、それぞれの無線機入力を個別に調整できて便利です。各無線機のモニタ機能でモニタしながら調整しました。実際にオンエアして各局よりリポートをいただきましたが、ダイナミックマイク等に比べて音域が狭い感じで聞こえるというリポートもありましたが、シルバーイーグルはダイナミックマイク等と比べて無線やっている感があって気に入ってます。

最後に改造の参考とさせていただいたブログ主の音創り研究会のメンバーであるJI1ANI局に感謝申し上げます。

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