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807真空管3結ステレオアンプ [アマチュア無線]

 休みがあっても新型コロナウィルスの感染拡大のため、どこも行けない状況が続いていました。そんな中、押し入れの隅に眠っていた真空管を使って。ステレオアンプを製作することにしました。出力の球は807という球で、昔よくアマチュア無線の送信管として使われたアッププレート端子のビーム4極の真空管です。初段の球は12AX7という双3極の真空管を使います。

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807は茶色のベースがUSA RCA製 黒色ベースが富士通TEN製、12AX7も富士通TEN製で何れも新品ではありますが50年近く前に製造されたものです。807は同一メーカーのペア球がベストなのかもしれませんが、眠っていた球の有効利用ということで敢えて細かいことには拘らないことにします。


 このアンプの製作は2006年の1月、2月のCQ誌にJA1AMH故高田継男氏が書かれた製作記事を元に以前に計画し、2006年末に東京秋葉原で半分位の部品を集めていましたが作らずに終わっていたものです。最近になって足らなかった電源トランスや出力トランス等を購入しました。購入は全て通販で購入し、トランス、チョーク類は長崎県の祐徳電子から、CR類は東京の秋月電子からそれぞれ購入しました。祐徳電子で扱っているものは中華製が多いせいか、比較的安価でした。電源トランスは両波整流用の250V×2のものが欲しかったのですが、手頃な電流容量のものが無かったので220V×1・150mAのものを求めブリッジ整流をすることにしました。

製作で一番苦労したのは、アルミシャーシーの穴開けです。電源トランスや807用のタイトソケットのスペースは大きいので、本当はシャーシーパンチやハンドニブラーがあればいいのですが、無いので電動ドリルで穴を開け、ヤスリで形を整えたので結構、手間がかかりました。

電源スィッチやパイロットLEDランプ、音量ボリュームを取り付けるパネルは、アルミシャーシーだけだと簡単なのですが、味気ないので木製パネルを加工して取り付けることにしました。

PaneruIta.jpg

寸法は200×70×3~5ミリのパネルにしようと思い、いろいろ材料を探してみた結果、百円ショップで900×70×5の写真のような「工作用桧板」があったので、これを使うことにしました。国産桧板にしては税込み110円と安価でした。家内は私が「この板を100円ショップで買ってきた」と言ったら中華製だと思ったようで、「国産桧」と言ったら驚いていました。

これを鋸で切り、紙やすりで表面を磨き光沢感を出すため透明ニスで仕上げてみましたが、後で考えると天然桧の香りと質感を残し、ニスは塗らないほうが良かったかもしれません。

無線機等、真空管を使った機器の製作は久し振りでしたが、ラグ板を使った配線は「初老」の私にとってプリント基盤の半田付けよりもやりやすいものでした。

807StereoAMP.jpg

出来上がったアンプの写真です。807は高田さんの記事どおり3極管接続としているので、出力は1Wそこそこと少なめです。それでも、せっかく鳴らすのだからいい音源ソースで鳴らしたいと考え、今あるものを使って安価にできる音源を探した結果、ノートPCでネットミュージックを取り入れてそれをブルーツースで飛ばし、レシーバで受けてアンプに入力する方法をとることにしました。

組み立てが終わり、テスターと目視で配線チェック、各真空管をソケットに挿して、807のタイト製プレートキャップを付けて電源投入。取りあえず2Aのヒューズは飛ばないようなので、各プレート電圧、カソード電圧の測定を行ない、全て正常なのを確認したので一旦電源を切りました。

 このアンプを鳴らすスピーカーとして用意していた古いAIWAのコンポに付属していたスピーカーを左右間違わないよう確認して接続し、次にブルーツースレシーバからの出力を入力端子に接続し、電源を再投入しました。

 ソースとなる音楽を選び、マウスでPlayボタンをクリックしたら、思っていたより結構パワフルで真空管らしい柔らかい音が聞こえてくるではありませんか!?ジャズ、クラッシック等を聴いた感じでは、心配していた電源リップルによるハム音も無く、素直な音質でバイオリン、サックスの音の良さは期待以上でした。出力も1Wそこそこと言えど、狭い6畳足らずの私のシャックでは十分な音量でした。

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 50年の眠りから覚めた真空管がヒーターを灯して、今、私の部屋で存在感を示しています。

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